honでは僕が読んだ本で面白かったものを紹介していこうと思います。第一回目は僕が尊敬する佐々淳行氏が書いた「東大落城」です。
佐々淳行氏は「危機管理」という言葉を作った人で知られ、日本の安全保障の近代化に尽力されました。あさま山荘事件、東大安田講堂事件を指揮したことでも知られています。この本では、その東大安田講堂事件について、自身が陣頭指揮した経験をいかして、生々しく記されています。
当時の貴重な写真もあります。
この事件は全共闘が東京大学本郷キャンパスを封鎖して立てこもった、いわゆる学園紛争です。放水車、火炎瓶、投石、大学内の劇薬など、なんでもありの大激闘だったようです。ちなみに、事件が起こった1969年の東大入学試験は中止され、次年度の入学者は0人となっています。
この本を読んで興味深かったのは警察、機動隊の苦悩が垣間見れた事です。はじめは全共闘vs警察だったのですが、次第に面白半分の若者が暴れだし、世間の風潮も「警察は若者をいじめている!」となり、警察は四面楚歌状態だったそうです。それでも佐々氏指揮のもと、バリケードを攻略していきます。
警察は様々な作戦を立て、全共闘に挑戦していきますが、中でも面白かったのは「大学付近のコンクリート平板を早朝のうちに全部はがせ」という作戦です。これは、学生が警察に投石するのを防ぐためで絶大な効果を発揮しました。
佐々氏の文才もさることながら、さすが第一線で指揮していただけあって、記述が細部にわたっていて、不謹慎ですが、当時を知らない人間でも読んでて非常にドキドキさせられました。オススメです。
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